2024年春に開業する北陸新幹線金沢~敦賀間に設ける6駅の駅舎デザインが鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)から2019年4月17日に発表されました。機構は2017年に各駅舎外観デザインを3案作成し、地元自治会に提示、2018年に1案に決定しました。それを元に外観や内装などを自治体の意見を聞きながら取り入れ、今回の発表となりました。各駅とも2020年度より着工する計画です。
当記事では福井県区間にある芦原温泉駅、福井駅、南越駅、敦賀駅の4駅を紹介します。
イメージ図やデータは鉄道運輸機構サイトより引用
北陸新幹線芦原温泉駅
駅諸元
デザインコンセプト | あわらの大地に湧き出る贅の駅 |
デザインイメージ | あわら温泉の癒しと旅情が漂う駅 |
ホーム形式/長さ | 相対式2面2線/312m(12両編成対応) |
駅本屋面積 | 1,900m2 |
階段数/エレベーター数/エスカレーター数 | 2箇所/2台/4台 |
・駅断面図
コンコースは2階、ホームは3階に設置されます。県内では敦賀駅の次点に高い場所にホームが設けられることになります。1階は何になるのでしょうか。
駅内部イメージ
全体を落ち着いた色と木調で仕上げ、趣ある和を強調することであわら温泉の癒しと旅情を表現しています。
・ホーム
外壁には木調の日除けを設け、待合室は温泉街をイメージしたデザインです。
・コンコース
コンコース中央部に間接照明を施した折り上げ天井とすることで温かみある室内空間を演出し、温泉街らしい和の趣ある空間としたデザインです。旅館のエントランスみたいですね。
駅舎平面図から推測すると改札を抜けたあたりからトイレ方面を向いたイメーズ図みたいです。
・駅舎平面図
新幹線駅舎は現在の在来線駅舎の東側に建設されます。
衛星写真
北陸新幹線福井駅
駅諸元
デザインコンセプト | 太古から未来へ~悠久の歴史と自然がみえる駅~ |
デザインイメージ | 悠久の歴史を未来へつなぐシンボルゲートとなる駅 |
ホーム形式/長さ | 島式1面2線/312m(12両編成対応) |
駅本屋面積 | 3,400m2 |
階段数/エレベーター数/エスカレーター数 | 1箇所/2台/4台 |
・駅断面図
在来線との中間改札が設けられるため、中二階があります。
駅内部イメージ
唐門をモチーフとした木調のルーバーと、明るく開放的なガラス面を組み合わせることにより、福井の歴史を感じさせるデザインです。
・ホーム
屋根や外観をガラス張りにすることで光が入りやすくしています。これは在来線駅舎と同じ設計思想ですね。床は木調タイルで利用者がゆっくりくつろげる空間となっています。
・コンコース
福井県産木材や越前和紙、床に笏谷石を使用することで福井らしい悠久の歴史を表現し、格調高い重厚な和の空間となっています。見た目が芦原温泉駅に似ていますね。
・駅舎平面図
新幹線駅舎は現在の在来線駅舎の東側に建設されます。新幹線コンコースに新幹線改札が2か所、在来線との間に中間改札が設置されます。新幹線改札が計3か所設置されるのは北陸新幹線内では福井駅のみです。
コンコース南側にも駅務室が設けられるということはプリズム福井は拡張されないのですかね。されても、プリズム2の東側だけでしょうか。
2023年3月、北陸新幹線福井駅が開業します。その時、福井駅はどのような構内になっているのか。ここでは公開されている各種資料を元に私が予想した2023年春現在の在来線・新幹線・えちぜん鉄道を含む福井駅全体構内図を紹介します。 福井駅全体構[…]
福井駅拡張施設(福井市の施設)
新幹線駅舎と東口駅前広場との間には福井市の拡張施設が建設されます。鉄骨2階建てで正面の長さは約79m、幅約14m、高さ10m、延床面積は約1,600m2です。新幹線駅舎と一体化したデザインで、全面ガラス張りとなります。1階北側には各種イベントができる約450m2の屋内広場、観光案内所、休憩所、2階にはカフェや展示・交流スペース、屋上には北陸新幹線やえちぜん鉄道が見える屋上広場が設けられます。2021年着工予定です。
えちぜん鉄道福井駅の延長上に建設されます。出典:日本経済新聞サイト(https://www.nikkei.com/article/DGXMZO43815350W9A410C1LB0000/)
出典:日本経済新聞サイト(https://www.nikkei.com/article/DGXMZO43815350W9A410C1LB0000/)
屋上広場からは北陸新幹線やえちぜん鉄道、奥越の山々が展望できます。この配置だとえちぜん鉄道の車両が正面に見えますね。良き撮影地になりそうです。出典:日本経済新聞サイト(https://www.nikkei.com/article/DGXMZO43815350W9A410C1LB0000/)
北陸新幹線福井駅舎の東側には「拡張施設」と題し、福井市の施設が建設されます。ここでは拡張施設はなぜ設置されるのか、どんな施設になるかを紹介します。 拡張施設とは 拡張施設が設けられる経緯 一般的な県庁所在地の新幹線[…]
衛星写真
北陸新幹線南越駅
駅諸元
デザインコンセプト | 伝統・文化を未来につなぐシンボルとしての駅 |
デザインイメージ | コウノトリが飛翔する未来への道標となる駅 |
ホーム形式/長さ | 相対式2面4線/312m(12両編成対応) |
駅本屋面積 | 2,600m2 |
階段数/エレベーター数/エスカレーター数 | 2箇所/2台/4台 |
・駅断面図
駅内部イメージ
越前市の美しい自然環境を未来へつないでいくシンボルとなる駅をイメージしています。
・ホーム
ホーム空間は外観のモノトーン調と合わせ、待合室には格子戸と白壁をあしらったデザインです。
・コンコース
中央部天井には越前和紙の技法である「流し漉(ず)き」のダイナミックな動きを表現した和紙照明を設け、柱は漆塗りや越前指物で装飾し、全体を落ち着いた色調でデザインしています。
・駅舎平面図
単独駅なのでシンプルな配置図になっています。
衛星写真
福井県内で唯一在来線と離れた新幹線単独駅になります。単独駅は北陸新幹線では他に安中榛名駅があります。
南越駅周辺には道の駅や大規模な駐車場が整備され、北陸自動車道武生ICの最寄ということでパーク&ライドを推進します。
北陸新幹線敦賀駅
駅諸元
デザインコンセプト | 空にうかぶ~自然に囲まれ、港を望む駅~ |
デザインイメージ | 煌めく大海から未来へ飛翔する駅 |
ホーム形式/長さ | 新幹線:島式2面4線/312m(12両編成対応)
在来線:島式2面4線/265m(12両編成対応) |
駅本屋面積 | 新幹線:6,400m2
在来線:3,800m2 |
階段数/エレベーター数/エスカレーター数 | 新幹線:3箇所/3台/14台
在来線:3箇所/3台/10台 |
・駅断面図
1階は在来線乗り場、2階がコンコース、3階が新幹線乗り場です。駅舎の高さは35mになります。既存の在来線乗り場(3面7線)と合わせると、かなり大規模な駅になりますね。駅全体で7面15線になります。
駅内部イメージ
敦賀湾の波の煌めきを表現し、豊かな自然を感じられる駅をイメージしています。全体的に城が多めの明るいデザインですね。
・ホーム
ホームの床は船の甲板をイメージした木調タイルで、待合室は船をモチーフとしたデザインです。
・コンコース
天井全体をアーチ状にすることで北前船の帆を、壁面は赤レンガ倉庫をイメージしています。広さを生かしたスケール感の大きなデザインです。
・駅舎平面図
当分の間終着駅となるため、新幹線と在来線との乗換がしやすいように大規模な駅構内となっています。新幹線駅舎と既存駅舎との間は約200m離れることから動く歩道が設置される計画です。
航空写真
敦賀車両基地
今回、敦賀車両基地の外観と配線図が公表されたので合わせて紹介します。
敦賀車両基地とは
敦賀車両基地とは福井県内で唯一設置される北陸新幹線の車両基地で、新幹線車両の留置や日常点検が行われます。延長約1.5km、最大幅160m、面積約37,000m2、敷地は北側で高さ13m、南側で3mかさ上げされ、敷地内には国道27号や県道がアンダーパスします。敦賀車両基地には白山車両基地と同様、着発収容線7線全体を覆う延長350mの建屋が設置され、降雪に備えます。工事は2017年12月から造成工事が始まり、2019年4月現在も盛土工事中です。2019年秋ごろより建築工事が始まる予定です。
・イメージ図
・施設配置図
在来線から資材搬入用線路が伸びていますね。
車両基地の場所
北陸本線沿いに建設されます。
各駅諸元表一覧
以上、県内4駅の公表されたデザインでした。2020年度末には高架橋が完成、2021年から駅舎の建設が始まり、2022年春に完成を目指しています。2024年春の開業が待ち遠しいですね。
あわせて読みたい記事です
2005年より工事は始まった北陸新幹線福井駅部の工事記録です。ここでは北陸新幹線福井駅部の概要と2005年頃5月頃の福井駅周辺の様子を紹介します。 北陸新幹線福井駅部について 富山駅~金沢駅と福井駅は同時着工 2004年12月、政府は[…]
福井駅拡張施設の概要です。
北陸新幹線福井駅舎の東側には「拡張施設」と題し、福井市の施設が建設されます。ここでは拡張施設はなぜ設置されるのか、どんな施設になるかを紹介します。 拡張施設とは 拡張施設が設けられる経緯 一般的な県庁所在地の新幹線[…]