あなたは旧田原町駅の木造の三角形駅舎(旧駅舎)を覚えていますでしょうか。田原町駅は2015年に新しい駅舎建替えられました。ここでは旧駅舎の現役時の姿から駅舎解体、新駅舎建設、新駅舎供用までの様子を2年に渡り撮影した写真を元に紹介します。
田原町駅とは
田原町駅とは福井市田原1丁目にある福井鉄道とえちぜん鉄道の駅です。両鉄道の乗換駅であり、また周辺には福井大学や北陸高校、藤島高校などの学校、フェニックスプラザや福井市営体育館、福井県立美術館など公共施設が多いため、多くの利用客に賑わっています。1937年にえちぜん鉄道(旧京福電鉄)の駅として開業、1950年に福井鉄道が同駅に乗り入れることになり、木造駅舎が建設されました。えちぜん鉄道の線路は東西に引かれている一方、福井鉄道は南側から木造駅舎は南北に線路が引かれ、南側から左カーブを描いて田原町駅に入線する構造になっているため、駅舎は三角形をした独特な形になりました。2010年頃より、両鉄道の活性化案として相互乗入れが検討され、それに伴い、田原町駅の再整備計画が浮上しました。相互乗入れ計画は進展し、駅構内で至近距離まで伸びていたがつながっていなかったら両鉄道の線路の接続が決まり、田原町駅の建替えと駅構内の再整備が始まりました。事業は2014年により始まり、2015年に特徴的だった三角形駅舎は65年の歴史に幕を閉ざしました。2016年3月27日、両鉄道の相互乗入れ運行が始まり、再整備事業は完了しました。
整備前の構内図(180度回転済)
福井市のサイトより。えちぜん鉄道1面1線、福井鉄道1面1線でした。
完成するとえちぜん鉄道1面1線、福井鉄道2面2線になり、中線は相互乗入れ列車が入る線路です。田原町駅全体では2面3線となります。1番線はえちぜん鉄道ホーム、2番線は相互乗入れ便用ホーム、3番線は福井鉄道ホームです。
田原町駅建替え工事年表
2014年1月 建替え工事開始
2015年3月 福井鉄道側駅舎完成
2016年1月 えちぜん鉄道側駅舎完成
2016年3月、福井鉄道×えちぜん鉄道相互乗入れ開始
2014年1月の様子(工事開始直後)
2014年1月上旬の様子です。駅南側の駐車場に福井鉄道の仮設ホームを設置する工事が始まりました。
この空地にはかつてコンビニ(サークルK)がありました。
仮設ホーム設置の様子
この駐車場の場所には昔、福井鉄道のホームがありました。福井鉄道の田原町駅は1984年までは2面2線の相対式ホームで、フェニックスプラザ(1985年開業)の場所に福井市中央市場があった頃には貨物輸送も行われていたそうです。
1974年頃の航空写真、国土地理院サイトより。福井鉄道のホームが2面2線で南側のホームには市場の建物が隣接しているのがわかります。
2014年1月25日(福井鉄道旧ホーム使用最後の日)
2014年1月25日の様子です。年明けから始まった建替え工事が本格化し、この日が福井鉄道の旧ホームの営業最終日です。26日より列車への乗降は仮設ホームに変わります。
駅前広場
コンビニ跡地はバリケードで囲まれ、重機が動き出しました。
田原町商店街踏切から
左側がえちぜん鉄道の線路、右側が福井鉄道の線路です。今回の事業のメインはこの2つの線路をつなげることです。
えちぜん鉄道側
福井鉄道側から見たえちぜん鉄道
出札口
ホーム
ホーム端
レンタル自転車が置いてあります。
福井鉄道側
ホームは低底車導入に併せ2006年に切り下げられました。切り下げられたホームは8年間使用したことになります。
ホーム上の掲示物
待合室
天井の骨組み
ホームの端は駐輪場になっています。
駅舎先端部
仮設ホームができる前にはここにも構内通路がありました。
仮設ホームの待合室
駅舎端から見た駅舎
駅舎端から見たえちぜん鉄道ホーム
南側の道路より
2014年1月26日(福井鉄道仮設ホーム使用開始日)
この日から福井鉄道の乗降は仮ホームからになりました。
前日までバリケードがしてあった仮ホームにも行くことができます。
仮ホーム部のみ線路が切り替えられホーム前後は従来の線路につながっています。
旧ホーム
旧ホームに入れないよう虎ロープがしてあります。
旧ホームの枕木とレールが積まれていました。
仮ホームに停車する列車
この日以降、福井鉄道側の木造駅舎の解体が始まりました。
〇続き記事は下記リンクより、【田原町駅建替工事②】福井鉄道側旧駅舎の解体工事の様子(2014.02)
福井鉄道・えちぜん鉄道の田原町駅の建替え工事記録②です。福井鉄道側の駅舎の解体作業が進められ、駅舎跡地では付替え線路の設置工事が行われています。 〇前記事は下記リンクより。 [sitecard subtitle=【田原町駅建替工[…]