繊協ビルの建替え工事に伴い、大名町地下道が2023年秋頃しばらく封鎖されることになりました。大名町地下道の一部は旧繊協ビルの地下1階と施設を共有しており、旧繊協ビルが2021年9月より解体されることから、地下道の一部と出入口が使えなくなります。ここでは大名町地下道の2021年9月現在の様子について紹介します。前編。
大名町地下道とは
概要
大名町交差点地下をL字に結ぶ地下道は2つの地下道で成り立っています。北陸銀行前と繊協ビル前をつなぐ南北の「中央地下道」、福井銀行前と繊協ビルをつなぐ東西の「大名町地下道」。2つの地下道は元々別々に建設されましたが、2003年に地下道のリニューアル工事が行われ、繊協ビルの地下空間を利用し、連結されました。これにより、両地下道から直接繊協ビルの地下街やエレベーターが利用できるようになり、フェニックス通り側(繊協ビル西側)の歩道幅員拡幅と地下道のバリアフリー化が達成されました。
今回の建替えで旧繊協ビルが解体されるため、繊協ビル地下空間の利用できなくなります。繊協ビルの地下空間を避けて、両地下道を接続させるには大名町交差点の直下を約50m新たに掘る必要がありますが、その場所には上下水道の重要管路、通信や電力の基幹管路、共同溝などが埋設されているため、掘ることはできません。そこで現在、新しく建設されるビル(ホテル棟or駐車場棟)内のエレベーターと階段を利用して、大名町地下道の接続を繊協ビル側と協議を行っています。
(令和 2年 9月17日 予算特別委員会議事録より)
両地下道は分断
新しく建設されるビルには地下階設置の計画はなく、大名町交差点の下は掘ることができないことから、両地下道は20年ぶりに再度分断されます。上の議事録を見るとあくまでもフェニックス通り側(繊協ビル西側)の歩道幅員を確保しつつ、バリアフリー化を含めた大名町地下道の昇降機能を確保するとしか書かれておらず、両地下道の接続については書いてありません。
新しい繊協ビル全体の完成予想図を見ると大名町地下道の繊協ビル側にはちょうど駐車場棟のエレベーター&階段室が設置されることからこの場所に接続されるのはでないかと推測しています。中央地下道の繊協ビル側の中央大通りの歩道は十分な歩道幅員があるため、バリアフリー維持のためのエレベーターを新設する空間的余裕があります。
追記:2021年9月6日の報道によれば、今回の推測とおり、両地下道は分断され、大名町地下道の東側入口は駐車場棟の南西角に設置されるエレベーター&階段室に設けられることになりました。そこまでの約10mの地下道の延長工事は福井市で行います。
地下道内部図
繊協ビルの敷地内が使えなくなります。
現在の様子
2021年9月4日の様子です。福井銀行前の西側入口から地下道に入りました。
西側入口
フェニックス通り西側、福井銀行前入口です。階段2つ、エレベーター一基あります。
ちなみに夜はこんな感じです。
地下道入口上部には「大名町地下道」の文字が書いてあります。
地下道封鎖を知らせる案内、2021年9月6日から2023年秋頃まで通行できなくなります。
地下を見ます。
エレベーター地上入り口です。北側階段入口と屋根続きになっています。
南側の入り口です。
夜はこんな感じです。
地下を見ます。ここから地下に入ります。
地下道内部
エレベーター地下入口です。エレベーターは箱内に扉が2つついており、地上と地下で開き方が反対側になる構造をしています。
地下道全景です。両側には広告スペースがあります。西側から東側を撮影、左が北側広告、右が南側広告です。手前から広告スペース1番目とカウントします。
東側から西側を撮影。西側(福井銀行側)入り口です。左が南側階段、中央がエレベーター、右が北側階段です。
南側広告
南側広告です。南側には広告が9スペースあります。
1,2番目は白紙です。
3番目は繊協ビル、4番目は法美社です。
中央には案内板と緊急通報装置があります。これは福井鉄道市役所前駅の入り口があった時の名残です。
5番目は開花亭です。
6番目は富永病院、7番目は白紙です。
8番目は白紙、9番目はマルキヤ宣広社です。
8番目は白紙と思いきや張り紙が落ちていました。
東側(繊協ビル側)から南側広告全体です。
西側(繊協ビル側)です。右の床のブロック殻が変わるところから先が繊協ビルの敷地になります。リニューアル前は右側のマルキヤの広告あたりに地下道の入り口がありました。
西側から見た地下道全体
北側広告
続いて北側広告の紹介です。2023年秋頃の地下道再開時にはこの場所に新しい通路が開通します。
北側には広告が7スペースあります。西側から1番目とカウントしていまるため、数字は逆になります。
9,8番目は福井銀行のローンの広告です。
7番目は硝和硝子株式会社、6番目は酒井電機株式会社です。
地下道中央にはかつての福井鉄道市役所前駅ホームにつながっていた通路の扉です。
福井鉄道名義の案内板です。
福井鉄道の乗り場はここではないよの張り紙は貼られていますが、通路壁には乗り場案内がそのまま残っています。しかも、福井城址大名町駅ではなく、市役所前駅表記のまま、これは貴重です。
と思っていたら、反対側を見ると白紙で文字が隠されていました。たんに紙がはがれただけでした。
扉右上に隙間を見つけ、しかも、奥が明るい。
隙間にカメラを入れてみると5m分ほど通路が残っており、制御盤が置かれていました。奥の壁の先にホームに続く階段がありました。点字ブロックはこの通路を一般の人が利用していた名残です。
3番目は白紙、2,1番目は電子マネージュラカの広告が2連続で並んでいます。
西側(福井銀行側)から1~3番目広告を撮影。
西側入口と地下道内部の様子は以上です。
繊協ビル内部と東側入口に続きます。