福井駅地下道の現役時代の姿(福井駅の地下に眠る幻の地下道。)

福井駅が地上にあった頃、線路の壁で分断された駅の東西を行き来する歩行者の便を図るための地下道がありました。2005年4月に福井駅が高架化し、東西交通が接続されると地下道は役割を終えました。ここでは廃止直前の福井駅地下道の様子を紹介します。福井駅の地下に眠る幻の地下道。

 

福井駅地下道の歴史

福井駅地下道ができたのは昭和48年(1973年)です。ちなみに、福井市内最初の地下道は放送会館前の「大手地下道」で昭和43年(1968年)完成です。この地下道は福井国体時に地元要請で建設されました。福井駅地下道は市内2つ目の地下道になります。

福井駅地下道は東西それぞれに出入口が2つずつ、合計4か所出入口がありました。そのうちの一つはえちぜん鉄道福井駅舎に直結していました。地下道内では路上ライブが頻繁に行われていたのを覚えています。

2005年4月に福井駅が高架化されると、利用者は激減し、地下道としての役割を終え、2006年8月21日閉鎖・解体されました。存在していたのは33年間と地下道としては短命だったのですね。

2006年8月の福井駅西口、東口ではアオッサが建設中です。東口は区画整理が進行中で街並みに日々変わっていました。

地下道廃止直前の様子

2006年8月4日の様子です。

西口側

西口に2つあった出入口の1つは福井駅舎横にあり、駅舎から雨にぬれず地下道に入れました。駅舎解体時にこの出口は封鎖されたと記憶しています。後ろでは東横イン福井駅前が建設中です。

 

西口にあるもう一つの入口。横断歩道の近くにありました。地下道入り口には「日之出・手寄方面」の看板、えちぜん鉄道の時刻表が貼ってあります。写真を撮影した場所は2020年現在、駅前広場の一部になっています。

 

地下道の廃止の告知看板。

比較

・2006年8月

福井駅地下道西口側入口全体、後ろのプレハブ事務所があるあたりは雑居ビルが立ち並び、コンビニや交番がありました。

 

・2020年3月

同じ地点の2020年3月現在の写真です。恐竜のモニュメントがある場所に地下道の出入口がありました。

 

 

地下道と高架福井駅舎

 

地下道内部

それでは横断歩道側の入口から地下道内部に入っていきます。

階段は途中で左に折れます。

 

この地下道は自転車も通行できるため、階段の中央はスロープになっています。

 

振り返り撮影、地下道内から見た入口です。

 

地下道内部です。上下にくねっており、幅が広いです。通路両脇には広告枠が反対側入り口まで続いていましたが、広告がない場所は多くの落書きがされていました。写真右側の板でふさがれている箇所に駅舎横につながる出入口がありました。

 

高架工事の影響で中間付近は通路が曲がっています。高架橋の柱が通路半分をふさいでいますね。

 

高架直下区間を抜けると本来の地下道です。ちょうど北陸本線の仮設線の下付近です。東側はさらに通路が上下しています。

 

東口側の出入口です。右へ行くとえちぜん鉄道の乗り場に至ります。

 

東口側から西口を向いて撮影

 

東口側

最初にえちぜん鉄道側出入口から出てみます。

 

通路はクランクになっています。抜けたさきは改札前です。

 

振り返り撮影、通路壁には掲示板がありました。

 

東口側メインの入口から出ます。

 

入口付近から見た地下道、福井駅地下道の名盤があります。

 

比較

・2006年8月

 

福井駅地下道東口側入口、上部に「福井駅前・大手・中央方面」の看板があります。

 

・2020年3月

同じ地点の2020年3月現在の写真です。歩道幅員自体は狭くなりましたが、入り口がなくなったので通行できる歩道は広くなりました。

 

・2006年8月

入り口全体です。ホテルエコノ福井駅前の前にありました。

 

・2020年3月

同じ地点の2020年3月現在の写真です。現在はタクシー乗り場になっています。

 

 

以上、福井駅地下道の現役時の姿でした。なにもかもが懐かしいです。

 

〇続き記事は下記リンクより、福井駅地下道の解体記録

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