昭和49年(1974年)9月7日土曜日、10時55分ごろ、国鉄福井駅待合室北側のベンチ上に置いてあった買い物用ビニール袋が突然「バーン、バーン」と大きな音を立て爆発した。待合室内には白煙が立ち込め、ガソリンなどの強い刺激臭が漂ったが、待合室にいた客50が人にけがはなかった。福井警察署職員が現場を調べたところ、現場には買い物用ビニール袋が見つかった。中にはビニール袋に入ったガソリン2リットル、花火1本、マッチ23本、三菱製タイマーセット、東芝製単一電池2本が入っており、タイマーは0になっていた。
爆発物はセットされたタイマーにより乾電池から電気が流れ、電線でつながっているシガーライト用のヒーターを加熱し、マッチに火が付き、その火が紙の筒の中に入っていた花火に引火し、爆発する仕組みだった。しかし、ガソリンは爆発のショックでビニール袋が破れ、流れ出したため、引火しなかった。
ビニール袋にはフランス語で「GARONNE」と書かれており、女性用衣料を扱うお店の袋だった。この袋は7日午前2時ごろからベンチの上に置かれていたという。
爆発音は現場から約100m離れた二番ホームまで聞こえ、同時刻は特急、急行などの発車時間と重ねっていたため、構内には多くの客がいた。
参考文献:昭和49年9月8日付け福井新聞
鑑識課のあゆみ P51
以上、国鉄福井駅時限装置爆破事件(1974年9月福井市で発生) でした。