(都)川西国道線の現状と工事状況 2019.5

福井市川合鷲塚町の(都)川西国道線では現在歩道整備工事が行われています。ここでは2019年5月現在の工事の状況を紹介します。

この川西国道線、もしかしたら大プロジェクトになる可能性を秘めています。(後述)

(都)川西国道線とは

最初に都市計画道路 川西国道線について紹介します。

都市計画道路 川西国道線(以下、川西国道線)とは国道8号から国道416号を東西につなぐ全長6,530mの幹線道路です。福井市北部の市街地とテクノポート福井を連絡することにより観光及び産業経済の発展や市民生活に重要な役割を担う道路と位置づけされております。森田・河合両地区をつなぐまともな幹線道路は現在ないため、この道路が全通すると大変便利になります。

川西国道線は嶺北縦貫線から東側と高屋町の一部区間を合わせた4,050メートルについては開通しており、現在、嶺北縦貫線との交差点から西側約700mを整備しています。

 

それでは現在整備中の区間を紹介します。

工事概要

・箇  所:福井市川合鷲塚町

・道 路 名:(都)川西国道線

・計画延長:161.6m

・計画幅員:道路幅員20.0m、歩道幅員4.5m

・工事期間:2019年3月~2019年7月(予定)

・整備目的:都市計画道路の整備

・図面

福井市サイトより

工事場所

 

現在の様子(2019.5)

2019年5月上旬現在、歩道を整備する工事を行っています。

・工事看板

 

・起点側

 

・終点側

以上、現場には工事看板と重機が置いてあるだけで工事はこれからのようです。

現在の様子(2019.6)

2019年6月中旬、追加取材してきました。

起点側

道路センター

歩道センター

反対側

ポールは用地買収済みの範囲を示していると思われます。

終点側

歩道センター

道路センター

反対側

この延長で歩道が延びていきます。

 

未開通区間について

川西国道線は1,780mが未開通(未整備)です。そして、未開通区間にこの事業最大の課題があります。その課題とは、えちぜん鉄道と県道福井加賀線(芦原街道)との交差方法で、その課題の解消方法によってはこの事業は大プロジェクトになる可能性があります。

川西国道線の整備情報はネット上にほとんどないため、福井県議会、福井市議会の議事録を探っていたらこの情報を発見しました。以下は議事録の内容をまとめたものです。

上図の「六差路」と青字で示した場所が課題の場所です。現在、南北に走るえちぜん鉄道と斜めに横切る県道福井加賀線が平面で交差しています。そこに東西に貫く川西国道線を整備しようと計画しているため、複雑な交差点になることが目に見えています。

 

現在、えち鉄と県道は踏切で交差しており、将来川西国道線となる道路もすでに交わっています。都市計画決定上、川西国道線は高架でえち鉄と県道を超え、側道で県道と接続する計画になっています。

イメージ的には福井市上中町の東藤島交差点が当てはまります。南北の県道と斜めに横切る市道(勝山街道)の交差点の上を国道416号が高架で超えています。ただここは道路同士なのでまだましです。川西国道線の場合、踏切の存在が問題です。

 

六差路の整備方法

2015年に都市計画道路川西国道線の整備に伴う主要地方道福井加賀線と交差部検討業務に関する協定を県と市が締結し、その整備手法をコンサルに委託し、検討した結果、約100案を作成、その中から整備効果等を勘案して数案程度に絞り込んだそうです。案の内容までは公開されていないが、下記2案をベースに進めているようです。

①都市計画決定とおり整備する

川西国道線を高架で整備する原案では、

・県道の踏切が永久的に残り、踏切事故の危険性が解消されない

・側道も含めた広い範囲の用地買収が必要

・県道と川西国道線のアクセスが複雑化

・整備に時間と多額の費用が必要

 

②えち鉄を高架化し、県道と川西国道線を平面交差させる

地元が推進している案です。えちぜん鉄道を高架化し、その下で県道と川西国道線を平面交差させます。六差路部のみを高架化する場合、高架延長は800mです。九頭竜川を渡った先の中角駅からの連続高架案もあるようですがそれでは費用が高額になると市長が述べています。(2013年6月の答弁)

 

2013年頃、川西国道線建設促進期成同盟会の議員が類似事例として千葉県野田市に視察に行っています。場所を調べたら下記地図の場所でした。

・現在航空写真

・1990年頃の航空写真

この場所も以前は県道結城野田線と鉄道(東武野田線)が踏切で交差する場所でした。この地区で区画整理が行われたところ、踏切箇所で市道 清水五木線が交あうことになりました。普通に整備したら6差路で交通を大きく阻害することになるため、整備する手法として鉄道を高架化し、道路を平面交差する限度額立体交差事業を採用しました。その例によると、県道と市道を立体交差にした場合は54億円、鉄道を高架化した場合は27億円と試算されており、鉄道高架の場合には側道などの附帯整備も幾らかっても、明らかに鉄道高架化事業を実施したほうが事業費も少なく、道路沿線の宅地利用が道路の立体交差に比べ格段に有利であり、道路の立体交差事業に比べ下水道管埋設、架線等の施設費用がかなり安くなります。鉄道事業者の費用負担も見込めるなど有利な点が多数あったとのことです。

福井市で採用された場合、田園地帯に単線高架橋が続く、おもしろい場所になりそうですね。

 

未開通区間の今後について

2019年6月現在、六差路の整備方法はまだ決まっていません。福井市は嶺北縦貫線から西に700m区間を優先して整備を進め、六差路の検討も同時に進めているそうです。

地元はみつわ付近の道路を暫定でよいので早急に整備してほしいと要望していますが、福井市は六差路整備にかかる所かつ、県が進めている普通河川鷲塚川の改修や県道の歩道整備工事との兼ね合いもあって、難色を示しています。

「市の都市計画道路なので市で進めるのが本来だが、多額の費用がかかるから県道に昇格し、県で整備してほしい。」が本音のようです。

全線開通はまだまだかかりそうです。

未開通区間の現状

嶺北縦貫線(県道)から西へ取材して行きます。

嶺北縦貫線との交差点から西に300mの区間は2009年頃に整備されました。

歩道がつくし野の団地の手前で終わっていましたが道路用地はそのまま続いています。

住宅側に道路が拡幅されるのでしょう。用地買収が行われたようで何軒か住宅がなくなっていました。

都市計画上道路幅員は20mあるため、パイプライン施設前の空地は道路用地だと思われます。そこで現在、歩道整備工事(上記)が行われていました。

2車線道路はみつわの裏で狭い道になりました。福井加賀線は左の看板があります。直進すると踏切があります。

反対側、左の建物がセットバックして建っているように見えます。

 

踏切部

・川西国道線(東→西)

・芦原街道(北西→北東)

・川西国道線(西→東)

 

踏切北西にあるこの建物は都市計画道路上に立地していると思われます。

 

えち鉄が高架化された場合、一般人は乗降できない駅として鉄道マニアの間で有名な仁愛グランド前駅はどうなってしまうのでしょうか。一緒に高架化?それとも利用頻度が少ないから撤去?最近は仁愛の生徒はバスを使っているのと情報もあるのでおそらく撤去でしょう。

 

踏切から西に進みます。

 

この付近は土地改良事業により、道路用地が確保されています。航空写真で見ると細長い敷地(約400m)が用意されているのがわかります。

上記区間の西端からコシヒカリ道路までは道路計画を感じさせるものはありませんでした。

川西国道線×コシヒカリ道路交差点付近

地図上ではただの直角カーブに見えますが、カーブから左が川西国道線(開通区間)、上がコシヒカリ道路です。川西国道線はこのカーブに右から接続し、最終的に丁字交差点になります。

丁字交差点分の用地は確保済みです。

 

以上、2019年5月現在の様子でした。川西国道線はいったいいつ全通するのでしょうか。今後に期待です。

〇続き記事は下記リンクより、(都)川西国道線の現状と工事状況 2020.1

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