永平寺で行われた自動運転の公開実験車両に乗車してみました。ここでは自動運転実験の内容と乗車レポートを紹介します。
永平寺の自動運転について
概要
2019年6月24日から12月20日まで、永平寺町内の公道約6kmを使って、自動運転車で住民や観光客らを運ぶ実証実験が行われました。2018年11月に1か月間に行われた実証実験の検証結果を元に、車両の台数や人の配置、運行ダイヤなどをより実用に近い形にしたうえで6カ月間の長期にわたり検証を行うものです。
車両
車両はゴルフ場のカートを改造したもので6~7人乗りの車両が2種類、最高速度は12kmです。自動運転ですが、安全確認のために運転手はいますが、運転自体は自動で行われます。今回の自動運転は「電磁誘導式」という方法で行われました。道路に磁力を放つ電線を設け、カートが感知し、それに沿って走行する方式です。カートにはセンサーやカメラがついており、障害物や段差を探知すると自動で加速減速停止します。電磁誘導式のメリットは多少の雪や落ち葉なら走行に支障がなく、安全性が高いことにあります。
道路に埋めこられた電線、カートはこの電線に沿って進みます。左側の電線が走行車用、右側の電線は対向車用です。
ルート
実験は京福電鉄永平寺線の廃線跡を整備した道路「永平寺参(まい)ろーど」を2系統にわけ、荒谷~志比(永平寺門前)約2km(方道約10分間コース)、東古市(えちぜん鉄道永平寺口駅)~荒谷 約4km(片道約30分間コース)が設定されました。乗降場所はかつての永平寺線の駅があった場所です。永平寺参ろーどは実験中も歩行者や自転車の通行はできます。
まちづくり株式会社ZENコネクトのサイトより引用
「永平寺参(まい)ろーど」の案内図
時刻表
えちぜん鉄道永平寺口駅から永平寺まで途中乗り継けば自動運転の車両だけで行くことができ、乗車時間は乗り換え時間を含めて約50分です。ちなみに、並走する路線バスを使うと14分、430円です。
乗車レポート
荒谷乗降場所
今回は運行本数が多く、乗車時間が短い荒谷~志比間を往復乗車しました。
永平寺 胡麻豆腐の里 團助には自動運転乗降者向けの臨時駐車場がありますのでそこに車を止めました。
発車時間まで時間があったのでお店で売っていた黒ごまアイス(380円)を食べます。これがまたおいしい。
時間になったので乗降場に移動しました。
この乗降場所はかつての京福電鉄永平寺線荒谷駅跡です。
時刻表、平日は30分間隔です。
踏切のレールがまだ残っていました。荒谷乗降場所は山側と町側の2つあり、ここで系統が分かれています。上の写真奥は町側(東古市方面)の乗降場所です。
乗車
時間になるとカートが来ました。自動走行する車両ですが、実証実験中のため、乗務員は乗っています。
カートの座席はこんな感じ。
運転席、カートいうだけあってシンプルな運転台です。
運転席上部には現在どの辺を走っているかがわかるディスプレイも設置されています。
後ろ側、後座席中央に充電ケーブルを差し込むプラグがあります。
それでは出発します。乗務員は出発する時に発車オーライの指示としてアクセルを一度踏むだけで、後は何も運転操作はしません。
ルートは単線なため、一定間隔で写真のような退避場があります。
退避場で待っていると対向が通過していきます。通貨が完了すると乗務員は発車合図がアクセルを軽く踏み、発車します。
途中には車庫もあります。(写真は復路で撮影)
乗車中は暇なので乗務員との会話が弾みました。
・自動運転の車両は7人乗りと6人乗りがある。GWの実験時には4人乗りと車椅子対応の5人乗り(真ん中のシートが車椅子用)があったが現在この2台は沖縄の実験場に行った。
・2019年5月は全部で10台の車両があった。現在は5台
・休日は賑わうが平日はガラガラ、特に雨天時。
・歩行者がルート上にいると警告音がでて原則するが完全には止まらない。今のところ、歩行者との接触事故はないが、観光客がふざけて車両の前に出たことがある。
・自動運転の指令室は四季の森文化館内にある。
・車両の充電は昼と夜の2回行う(志比ルート)、東古市ルートはもっと多い。
・運行スタッフはアルバイト。
・段差や坂は減速する。
・2020年以降の運転は未定だが、設備は残る。
10分ほど乗車すると終点の志比(門前)停留所につきました。
自動運転なので、写真のような狭い通路も通ることができます。
志比(門前)停留所
待合所横には自動運転車両の充電設備がありました。
以上、自動運転の体験レポでした。